ここではギターで頻繁に出てくるオープンコードを解説しています。
「オープンコード」とは「開放弦を含んだコード」の事です。
オープンコードはコードで最初に練習する基本部分になります。
ここでは、「Em」「E」「Am」「C」の各コードを解説します。
順番に見ていきましょう。
ダイアグラム
コードは「ダイアグラム」という図を使って表記されます。
下の図がダイアグラムです。
横線が各弦を、縦線がフレットを表しています。
コードには明るい響きのメジャーコード、暗い響きのマイナーコードがあります。
~補足~
※メジャーでもマイナーでもない中間の響きのコードも存在します。
例:Esus4(イーサスフォー)コードなど
予備知識
○は開放弦をそのまま鳴らします。
●は押さえるポジションを、
○はコードの主音(=ルート音)を表しています。
~Em(イーマイナー)コードの場合~
Emの最初の文字のE(ミ)はそのコードの主音、小文字のmはマイナーという意味です。
Emコードは「E(ミ)の音を主音とした暗い響きのコード」と言えます。
~明るい響きのメジャーコードの場合~
基本的なメジャーコードの場合、主音のあとには何も付きません。
例えば「イーメジャーコード」なら「E」とだけ表記します。
~補足~
※メジャーコードの場合、主音のあとに大文字のMが付くこともあります。
例:EM7(イーメジャーセブン)コードなど
(大文字のMが付くときはそのあとに数字が続きます。)
弾いてみましょう!
Emコードです。
5弦2Fを中指、4弦2Fを薬指で押さえます。
(その他は全て開放弦をそのまま鳴らします。)
押さえたら6弦から1弦に向かってジャラーンと弾いてみましょう。
全弦を同時に弾くイメージです。
うまく鳴っていない弦を確認するために、6弦から1本ずつ弦を弾いて確認していくのもおすすめです。
例えば薬指が隣の3弦に当たって3弦開放弦がうまく鳴らない、といった場合は指をしっかりと立てて押さえると良いです。
特に最初は難しく考えず、形で覚えてしまいましょう。
次にそのままEmの形を維持した状態で人差し指を足します。
人差し指は3弦1Fを押さえます。
すると、E(イーメジャーコード)になります。
「E(ミ)の音を主音とした明るい響きのコード」です。
これも同様に指をしっかりと立ててください。
次にAm(エーマイナーコード)です。
先程のEコードの形をそのまま丸々1弦側に移動させます。
するとこのような形になります。
「A(ラ)の音を主音とした暗い響きのコード」になります。
4弦2Fを中指
3弦2Fを薬指、
2弦1Fを人差し指で押さえます。
(その他の弦は開放弦を鳴らします。)
「×」は鳴らさない弦を表しています。
今回の場合は6弦です。
親指で6弦に軽く触れて、弾いても音が出ない状態にします。
押さえたら6弦から1弦までを全弦同時に弾くイメージで鳴らします。
6弦は弾いても親指で触れているので音は鳴りません。
~なぜこのコードの場合6弦を鳴らさないのか??~
理由は簡単です。
コードは例外ももちろん多々ありますが、基本的にルート音(=主音)を一番低い音に持ってきます。
Amコードの場合、6弦の開放弦を鳴らしてしまうとE(ミ)の音が一番低い音で鳴ることになります。
6弦を鳴らさない事によって、一番低い音が5弦の開放弦(=A(ラ))になります。
※「×」のように弦を鳴らさないようにする事を「ミュート」と言います。
次にAmコードの形を維持したまま、
3弦2Fの薬指だけを5弦3Fに移動させます。
以下の形になります。
C(シーメジャーコード)
「C(ド)の音を主音とした明るい響きのコード」です。
●は主音(=ルート音)を表しています。
5弦3FはC(ド)の音です。
6弦は親指でミュート
5弦3Fを薬指
4弦2Fを中指
2弦1Fを人差し指
1弦と3弦は開放弦
になります。
今までのコードより少し指が広がるので、弦に対して指をやや斜めにして押さえると良いです。
指は隣の弦に当たりやすいのでしっかりと立ててください。
次のステップへ
各コードが弾けるようになったら次はコードを繋げて弾いてみましょう。
その際はスムースなコードチェンジが大事になります。
コードチェンジとは名前の通りコードを変えて繋げて弾いていくことです。
素早いコードチェンジが出来るようになると、曲も滑らかに演奏出来るようになります。
最初はできる速さで大丈夫です。
ゆっくりから始めて徐々にスムーズにしていきます。
Em → E → Am → C
の順にコードチェンジをしていきます。
各コードを4回ずつ弾いていきましょう。
Em(4回) → E(4回) → Am(4回) → C(4回)
ストロークに関しては以下の「補足」をご覧ください。
~補足~
コードを順番に鳴らして弾いていきますが、その時の右手の動きの事を「ストローク」と言います。
一言で言うと、「コードをジャカジャカ弾いていくこと」です。
肘を支点にして、ピックで弦を撫でるように弾きます。
その時手首に力が入りすぎないようにして、柔らかく弾くようにします。
ストロークには6弦から1弦に向かって弾く「ダウンストローク」と、1弦から6弦に向かって弾く「アップストローク」があります。
ワンポイントアドバイス
ギターの指板(ネック)を持つときの左手の形には2パターンあります。
一つが「ロックフォーム」、もう一つが「クラシックフォーム」です。
ロックフォームはネックを持ったとき、親指が見える形です。
ネックを握り込むような形になります。
クラシックフォームはネックを持ったとき、親指がネックの裏側にくる形です。
指を広げやすくなるので、指を広げて弾くフレーズやコードのときに使います。
コードやフレーズを弾くときはそれぞれの形を使い分けていきます。
今回の4つのコードは全てロックフォームで弾きます。
コードを覚えるコツは指で形を覚え込むことです。
はじめに頭で形を覚えたら、次はコード名を見たらすぐ押さえられるように指で形を覚えこんでいきます。
1日15分ほどで良いので1週間、指の形を工夫・修正しながら続けてみてください。
自然と指で形を覚えていくので、コードがキレイに鳴るようになります。